AOIDの症例提示
1.生来健康な40代に腰痛で発症した多発骨・軟部組織病変(PMID: 19396523)
- 大腿骨、胸骨、脊椎、腸骨、および多発軟部腫瘤を認めた
- 骨生検にて抗酸菌と多核巨細胞を伴う肉芽腫性病変を認め、培養でMACが検出された
- 初発症状出現から診断まで約半年を要した
- 抗菌化学療法のみでは改善せず、外科的ドレナージを要した
2.抗菌化学療法終了後に再発し、骨髄培養からMACを検出した症例(PMID: 25653414)
- 肺、胸水、肝臓、骨髄からMACが検出され播種性NTMと診断された
- 2年間の抗菌化学療法後、徐々に発熱倦怠感が増悪した
- 骨髄からのみMACが再度検出された
3.画像、病理、培養検査でも診断困難であった症例(PMID: 25735882)
- 頚部リンパ節、気管内ポリープ病変で発症した
- 悪性所見や抗酸菌症を示唆する病理所見は得られず、抗酸菌塗抹も陰性であった
- 頚部リンパ節からのみM.gordonaeが検出されたが、当初はコンタミネーションと判断した
- 増悪後の再生検で、播種性NTMと診断された