播種性NTM症の定義を教えてください。

播種性NTM症は下記のいずれかを満たした症例とします。

  1. 血液培養または骨髄培養からNTMを認めた症例
  2. 2臓器以上の無菌検体からNTMを認めた症例
  3. 臨床的に播種性NTM症と診断した症例

*「3」に関しては、細菌学的診断がなくとも、画像所見や抗菌化学療法が著効するなどの臨床経過から播種性NTM症と診断した症例等を含みます。播種性NTM症の診断に合致するかどうか判断に迷う場合には、問い合わせ窓口( メールアドレス )にご連絡ください。

播種性NTMを疑う場合の血液培養のボトルは、一般細菌用(好気ボトル+嫌気ボトル)でもよいでしょうか?

感度の点から、抗酸菌用の血培ボトルの使用が推奨されます。ない場合は抗凝固薬入り(SPSやEDTA)の滅菌採血管で10mL採取します。

播種性NTM症の原因疾患のスクリーニングに、どのような検査を実施すればよいですか?

成人発症の播種性NTM症で、抗がん剤やステロイド、免疫抑制剤などを投与している、あるいは血液悪性疾患やHIV感染症に罹患している場合は、それらが原因となっている可能性が考えられます。

それ以外の原因検索には、まず下記の検査所見を参考に鑑別をご検討ください。

  • QFT(抗IFNγ中和抗体)
  • 血算における単球数(GATA2欠損症)
  • CD4(特発性CD4陽性T細胞減少症)